僕のくちから話したいこと〜広島ドッグパークの件〜

僕は何人かの人からメールをもらった。
ドッグパークと僕は顧問獣医師としての関係は一切無い。
契約書も存在しない。
開園当時はそういう話もあったが、僕は断っている。
僕とドッグパークの関係はかかりつけ獣医程度だと思っていた。約2年前までは。
彼らは資金繰りが悪くなっても、閉園後にもしばらく、診察してくれと犬を連れて来たり、薬をくれと言った。
治療を必要とする犬たちにお金を払わないから診ない、というのは僕のポリシーに反するから、診察もしたし、薬も渡していたのは事実だ。
でも病院経営からしたら、いつも業務長に怒られていた。しかし、この犬たちに他に頼る所があるのかと考えるとNOとは言えなかった。その治療費は恐ろしいくらいの額で焦げ付いている。
僕はドッグパークの再開は絶対に反対だ。潰すべきだと思っている。

9月25日にドッグプロダクションの責任者から突然、犬を見に来てほしいと電話があった。
どういうことかと問いただすと、具合の悪い犬がいることと今の状態を見に来てほしい、そして何か出来ることがあれば教えてほしいとの事だった。
ドッグパークやドッグプロダクションの責任者からこのような電話は今までに無かったので不審に思った。
その日の夕方、動物管理センターから何かドッグプロダクションから電話があったか訊ねられた。
一年以上連絡の無いものから突然の電話があったことを伝えた。
その夜の事は理由をつけて断った。
動物愛護団体の人からこれまた突然の電話があった。
僕はすでにドッグパークとの縁は無いものと思っていたのでどうこうする理由は無いと話した。
大阪の団体の代表から電話をもらい、はじめてコトの内容を理解した。
それから深夜2時すぎまで動物愛護団体の人と会って話をした。
彼らの言い分は納得できるものだった。

9月26日の朝、突然山陽工営の社員が12頭の犬を連れて来た。
何をしてほしいのか訊ねると、分からないと言うので僕は責任者に連絡をつけてくれと言った。
痩せこけた皮膚病の犬がおり、とりあえず診てくれと言う指示だったので、普通に診察し、ドッグパークに返した。
その日の昼に動物愛護団体の代表から電話があり、ドッグパークの犬を保護するために獣医師の助けが必要との要請を受けた。
前日しか話をしていないが、その姿勢には賛同できたので寝不足の状態でタクシーでドッグパークに行った。
実際その現場を見て、表側には比較的健康そうな犬たちを置いており、奥のプレハブ小屋には動けない犬たちや明らかに隠したいような健康状態の悪い犬が入れられていた。
一体何頭ここにいるのか、頭数をすぐにカウントするように言い、後で確認すると、そのプレハブ小屋だけで258頭いた。
すぐに比較的一見健康そうな犬たちも含めて全頭保護するように動物管理センターと愛護団体の代表に要請した。
団体もその必要性はあると言い、施設ごと借り受けれないか折衝に入った。
同時に朝方連れて来ていた犬たちが見当たらないので事前にカメラで収めていた資料を団体代表に渡し、保護を要請した。その犬たちは夜、大阪に送られることとなった。
マスコミのインタビューは施設内何箇所かであり、質問の内容は色々であった。
後でテレビで公開されたインタビューを見て愕然とした。
自分が語りたかった事とずいぶん差がある編集だった。
決して現場の状況を軽く見ていたわけではない。
ただ事実として、表側に見かけの良さそうな犬を並べており、それに対してのコメントだった。
確かに大半の犬が栄養不良で皮膚病になっており、すぐにでも治療が必要な状態だった。
その時、病院では午後の診察時に僕と連絡がつかなくなり、緊急に休診となり、スタッフや多くの患者さんに迷惑をかけてしまっていた。

僕のこの時の行動やコメントにより、色々な憶測や誤解、噂を招くこととなり、みなさまに対して本当に申し訳なく思っています。
今後、この件に関しては自重し、現在入院している保護したドッグパークの犬の治療に専念し、一日も早く新しい家族にめぐり合えるようにするのみです。

平成18年10月7日
ナルト動物病院 院長
鳴戸 徹


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